一回で治りますか?というお問い合わせ
カテゴリー:整体概論
お世話になります。
稲城ひらお整体院
院長の津端です。
ここ最近、ブログの新カテゴリ
『整体ってどうなの』
を追加しました。
今まで
症状や治療方針についての
ブログをメインに書いてきましたが
患者さんやお客さんからしたら
「ぶっちゃけどうなの」
というところには
触れていなかったと思います。
『同業者あるある』
みたいな感もありますが
整体ってどうなのと
感じられてる方は
ぜひご一読ください。
患者さんの気持ちと本音

ご新規のご予約の
お電話を頂く際に
「腰痛なんですけど一回で治りますか」
「肩こりなんですけど何回で良くなりますか」
という質問を頂くことがあります。
先に回答を書きますと
正直に言って
「実際に見てみないとわかりません」
です。
例えば、
三日前に重たいものを持って
突然腰痛症になった…
ですとか
直接的原因は
わからないにしても
今まで腰痛
じゃなかったのに
先日、急激に発症した
などの
不調の期間が短いものや
損傷原因が
はっきりとしているものは
一回で良くなる
ケースが多々あります。
逆に10年20年に及ぶ
慢性的腰痛や
痛いのだか重いのだかも
わからなくなってしまった
今はそんなに痛くないのだが
痛いときはズーンと痛いときがある
などの
長期的な感覚異常を伴う
慢性症状は
症状の背景が厚く
症状の根が深く
痛覚・知覚も
狂っているため
一回の施術だけでは
完全にはおさまらない
こともあります。
腰痛や肩こりといっても
大変に幅が広く
状況は人それぞれです。
その上
運動習慣や生活環境
嗜好や体質まで入れると
肩こり腰痛は
何回くらいで良くなりますよ…
という
『改善目安のテンプレート』は
正直アテになりません。
ご予約やお問い合わせの
際に出てくる
一回で治したい
一回で良くなりたい
という心情は
患者さんの本音だと思います。
「一回でよくなりますよ!」
と申し上げたいのが
施術者の心情でもあります。
しかし
実際に見てもいないものを
安請け合いする訳にいきません。
このようなご質問には
当院では
「一回、試してみませんか」
とお答えするようにしています。
ちょっと突き放された感が
ないわけではありませんが…
私個人の感覚ですと
「人それぞれなんでわかりません」
と言われるよりも
ずっといいかなと思うからです。
どの水準の『治る』なのか

さて、この
「治りますか?」
という質問で一番のネックは
『治る』の水準が
どの程度なのか
という点にあります。
来院時と比較して
痛みや不具合の変化が
少しでもでればいいのか
その場限りでも痛みや
不具合が取れればいいのか
一度の施術で
今後一切その問題に
悩まされることがなくなる
根本的消失のレベルなのか
おそらく
「治りますか?」
とお尋ねになる
患者さんが期待されているのは
最後の
『根本的消失レベルの治り』
だと思われます。
術後はいいのだけど
その後、一生、完全に
痛みや不具合が
消失するか…?
と言われると
慢性的な症状になればなるほど
完全1発KOというのが
難しいのは
いうまでもありません。
その場での短期変化は
ほとんどの症状に
起こりますが
これを以って
「一回で治ります」
というのは詭弁だと思います。
慢性症状でも
一回で一気に良くなった例も
沢山ありますが
そうでない例もあります。
だからと言って
「治るとは具体的にどういう状態ですか?」
と、お問い合わせの電話で
聞くわけにもいきませんし
そんな問答をしているほど
時間的な余裕もありません。
このような背景があり
お電話の際で
タイトルのように
「一回で治りますか?」
と聞かれた時には
「一回、試してみませんか」
とお答えするようになりました。
症状があやふやなものや
再現性が低い愁訴は
施術による変化が
定着・安定するまで
少し間隔を要するものがあります。
まとめると
慢性症状でも一回で
変化が出ることが多い。
ただし、
その変化が半永続的に
安定するかどうかの
必要期間には
ある程度の個人差がある
ということになります。
長期的な回復とは

長期的な回復という
状態を定義しますと
施術の間隔を長く開けても
多少の不摂生や過労があっても
不調や不具合を
自覚しなくなる状態であり
愁訴に関連した検査指標や基準が
常に安定している状態であると
言い換えることができます。
腰痛であれ肩こりであれ
気にならなくなる状況を
末長〜く作れれば
それを持って長期的に回復したと
言って差し支えないでしょう。
長期的な回復を実現する場合
患者さんの愁訴のキャリアが
大きく絡んできます。
たとえば
何気ない寝違え、
これは少ない回数で早期に治癒し
よほどの問題がない限り
長期的な回復が期待できます。
一方で、
四半世紀に及ぶ肩こりで
仕事は完全なデスクワーク、
休みの日も運動せず
読書やパソコン作業が多い……。
こういうキャリアの方の
頸肩部痛は
単なる寝違えに比べて
完全回復のために必要な
時間や回数はどうしても
長くなります。
整体施術『外』の領域、
たとえば運動習慣や
仕事での姿勢などにも
介入していく必要があります。
持論ですが、
急性腰痛や寝違えには
予後安定のための
セルフケアやエクササイズは
一切必要ないと思います。
逆に、慢性症状や
生活習慣症状になる程
自助努力の必要性は
高まっていきます。
慢性症状の根本改善は
痛みや不具合の治療
という要素に加えて
体質改善や生活習慣改善
という要素も含んでいる
と言えると思います。
原因不明の症状の対応

ここまで
急性症状は、
少ない回数と短い期間で終息し
慢性症状は
急性症状よりも
回数や期間を要する
という傾向にある旨を書きました。
では血液検査や
レントゲン撮影をしても
いつどのように
おかしくなったかも
わからない症状は
どうなのでしょうか。
この部分はもう
エビデンスも何もない
経験則からくる感想ですので
流し読みしてもらって
いいと思うのですが
突如として発生した
原因不明の症状は
突如として
収束に向かう傾向にあります。
多分、
原因不明の不調のほとんどが
脳の誤解か何か
なのだと思います。
そのため
うまく作用が働き
混乱が消失して
機能が再起動されると
嘘みたいに消えてしまう
傾向にあります。
原因不明の痛みや不調を
病院検査しても異常がない…
というタイプの症状は
整体療法と相性がいいと思われます。
ただし、この原因不明症状も
年単位で慢性化している場合は
安定・定着という面を考えると
少し伸びる可能性もあります。
それでも
痛いのか痛くないのかも
わからなくなってしまった
慢性症状よりは
施術に変化が引き出せれば
見通しは立ちやすいです。
加齢に伴う症状への対応
老化からくる血流の低下や
老化からくる筋力の弱化が
根因と考えられる症状は
根本的解決のために
患者さん本人の
自助努力のウエイトが
大きくなります。
人間は人間を
若返らせることはできません。
整体施術における
不調の緩和と並行して
「こういう運動がいいですよ」
というアドバイザー的
立ち位置も強くなります。
さて、
この加齢からくる症状は
時間と努力は要しますが
その後の症状の経過は
良いものが多い傾向にあります。
理由として
病院などで老化、年齢からくるもの
と診断されたものの大半は
機能障害を併発していることが
多いためです。
老化・年齢からくるもの
プラス
●●の機能障害
というコンビネーションで
不調が発生していることが
しばしばあるため
後者の方の調整をして
その人の弱点を強化するような
セルフケアをしていくと
「歳だから諦めて」と
言われたシニアの皆様の不調が
根本解決することが多々あります。
運動不足由来の肩こりより
よほど経過がいいです。
ただし、
年齢からくる筋力低下や
運動機能の低下が
背景にありますので
セルフケアの実践など
ある程度のやる気と
自助努力は必要になります。
「一回、試してみませんか」の本意

明確な再現性があり
症状や愁訴が
はっきりとしているものは
わかりやすい『治り』があります。
逆に、
痛いというよりも
違和感がある、重い感じがする
不具合の再現性が薄い
曖昧なものは
『治り』というものが
わかりにくい傾向にあります。
お電話やメールでの
予約の段階では
それがどういう症状なのかは
正直わからないのです。
発生機序や普段の生活習慣
テストや検査法の結果まで
併せてお報せいただいた上で
「一回で治りますか?」
お問い合わせいただければ
ある程度しっかりとお答えできます。
しかし、
そんな段取りをできるのは
おそらくご同業の方だけです。
とりあえず
実際に来院されて
不具合の蓋を
開けさせてもらえれば
どうにかはできる…という
つもりはあります。
確かにその通りなのだけど
「見てみないとわかりません」
では取りつく島もありません。
実際に症状や状態を見てもいないのに
「一回で良くなりますよ」
ではさすがにいい加減すぎます。
正直、多分一回でも
そこそこ行けると思うのだけど、
絶対の確約はできないので
「一回、試して見ませんか」
という薄皮をかけたような
お返事をさせていただいております。
代替療法という立場

整体などの手技療法は
基本的に代替療法という
立場にあります。
整形外科や内科では
特に異常なし、や
対処法なし、または
加齢によるものなので
受け入れてうまく付き合って…
などといった内容の
診断を受けた方を
主なお客様としています。
日本の医療保険制度は
素晴らしいもので
医療機関である
医師のいる病院に行けば
大半の愁訴は
健康保険内で
診療を受けることができます。
現代の西洋医学は
一言でまとめると
「白黒はっきりつく病気」
を得意としている
傾向にあります。
一方で、東洋医学などの
代替療法は
「グレーな病気や不調」
を得意としている
傾向にあります。
腰が痛いです、
レントゲンを撮りました、
異常所見はありません、
年齢か運動不足でしょう…
腰が痛いです、
レントゲンを撮りました、
異常所見が見受けられました
リハビリしましょう、
ダメなら手術しましょう…
映像診断でなく
血液検査などでも同じです。
現代のメーンストリームである
西洋医学はこのように非常に
白黒がはっきりしています。
このように書くと
まるで単純作業のようですが
経験や勘といった
不安定要素に左右されない
安定した診断と評価が
されるという点は
素晴らしいメリットだと思います。
ただ、
世間の人々の
様々な愁訴の
その半分以上が
レントゲンや血液検査に
反映されない
グレーな不具合というものが
実際の比率です。
そのような
グレーな不具合に対して
代替療法は様々な側面から
アプローチしていきます。
そのため代替療法は
同じ症状であっても
その相手によって
手段を変えることを
良しとします。
同じような体格
同じような環境
同じような愁訴でも
一回で良くなる人と
そうでない人が
はっきり分かれます。
だから
腰痛ならば
この手法でどれくらい…
肩こりならば
この手法でどれくらい…
という施術目安は
正直、代替療法に於いては
アテになりません。
このような理由から
今後も、お問い合わせの際に
「一回で治りますか?」
と聞かれたら
「一回試してみませんか」
と答え続けると思います。
お読みいただき
ありがとうございました。
御蔭様です。
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