男性不妊に対する補完療法の考え方
カテゴリー:自律神経系
お世話になります。
稲城ひらお整体院
院長の津端です。
鍼灸や整体を用いて
不妊あるいは妊活用の
施術を行う治療院は
現在、数多くあります。
しかし
不妊のための補完療法を
施術している院に
お見えになる方は
ほぼ女性です。
では、男性側に問題がないのか?
と言われれば
ここ最近の研究では
およそ半数近くの例に
男性の不妊が関与している
との指摘も上がって来ました。
整体や鍼灸など
不妊治療に対する補完的施術を
検討するならば
パートナーの男性にも
ぜひ受けてもらった方がいいと
私は強く思います。
というわけで本日は
「男性不妊に対する補完療法の考え方」
を投稿します。
健康や体調に関心の薄い男性は
ぜひお読みください。
Contents
不妊の原因は男性にもある

最近の学説では
不妊の原因の半分近くは
男性の生殖機能の問題による
ものが影響しているとの
見方が増えてきました。
精子の量そのものが少ない、
精子の運動性が低いなど
男性由来の不妊症は
予想よりもずっと
多いということが
少しずつ判明してきているようです。
これは単に
専門的な検査を受ける
分母量の違いによって
生まれた結果だと思います。
少し前までは
不妊治療というと
対象はほとんどが
女性のものでした。
最近は、医療機関においても
男性不妊を専門とする
クリニックが増えてきています。
精子機能低下は10% 精子器質変化は1%
大まかに数値化して
精子運動量の低下など、
精子の機能低下は
検査対象全体の約10パーセント
精子の奇形など
精子の気質的変化は
検査対象全体の1パーセントに
到達するというデータがあるそうです。
これは、30人1クラスとすると
1クラスのうち約3人は
精子の運動量が低いなどの
機能低下があると
いい変えられます。
10パーセントというのは
かなり高い数字だと思います。
生殖機能が低下している状態とは
どんな状態かというと
一般的には、
男性ホルモンである
テストステロンの分泌量が
低下している状態であると言われています。
男性だって機能低下している

女性不妊でも男性不妊でも
補完的療法で要求される要素は
「ストレス」「ホルモン」「循環代謝」
に集約されます。
不妊治療を受けることと並行して
ストレッサーの軽減をしたり
ホルモンへ作用を期待して運動したり
血流を促進し、心身代謝を促すために
生活習慣を見直すなどの
取り組みが重要と言われています。
以前よりもずっと認識されつつありますが
まだまだ不妊といえば女性の問題という
イメージが強いように思います。
不妊外来に通いつつ
整体や鍼灸などの補完療法を受けて
普段の生活も注意している女性は
たくさんいらっしゃいますが
これが『男性』になると
絶対数は大幅に減ってきます。
女性が不妊外来を受診するならば
男性も男性不妊の外来を受診し
精子のパフォーマンス低下があれば
相応の対策をして二人三脚で治療することで
より早いゴールを迎えることが
できるのではないでしょうか。
当院にお見えになる
不妊のお悩みを持つ
女性に対しては
「旦那さんを一度連れてきてくれませんか」
と打診しています。
男女間で生殖能力は全く違いますが
生殖能力を低下させる
ストレッサーは大して変わりません。
男性不妊であっても
補完的療法が取るべきスタンスは
「ストレス」「ホルモン」「循環代謝」
への施術だと考えます。
男性と女性の相互作用である
妊娠を望むならば
女性だけ頑張ればいい
というものではありません。
概ね、男性の方が
当事者意識が低い傾向にあります。
しかし、男性が
ストレスやホルモンや循環障害と
無縁というわけではありません。
男性は自分の健康をあまり省みない

仕事が忙しく帰りが遅く、慢性的な睡眠不足
諸般のストレスを自覚し、運動不足の傾向あり
食生活はバランスが良いとはいえず、
付き合いもありお酒の摂取量が多い…
これは、現代社会を生きる
成人男性にとっては
そこまで珍しい状態ではありません。
残業が多い仕事・休みが少ない仕事は
たくさんありますし、
働いていれば大なり小なりストレスはあります。
運動しなくちゃな〜と言いつつ
休みの日は日頃の疲れも相まって
ついダラダラしてしまう人も多いでしょう。
さて
先述しました、精子を強くするための
男性ホルモンである
『テストステロン』の大敵は
●寝不足
●ストレス
●運動不足
●偏った食生活
●多量の飲酒
と言われています。
寝不足、ストレス、運動不足は
いまどき特別珍しくない状況ですが
男性不妊に影響する要素を
もれなく網羅している状態でもあります。
一般的な傾向からいって
男性は女性よりも自分の健康を
あまり省みない傾向にあります。
治療院に
旦那さんが奥さんを連れてくるよりも
奥さんが旦那さんを連れてくることが
多いのは、その証左の一つです。
腰痛にしろ頭痛にしろ
男性の大半は
よほど悪くならない限り来ません。
大半の男の人は
口に出さないだけで、
気にしないだけで、
我慢しているだけで、
蓋を開けてみれば
結構ボロボロの人が多いです。
直接的な表現になりますが
男性器の勃起力が低下するような
身体状況では生殖機能が
上がるわけがありません。
多忙な人、ストレスフルな人は
ぜひ一度自分の体を省みてあげてください。
ついてきた旦那さんの方がひどいケース

具体的な統計を
取っているわけではありませんが
奥さんが治療院に通っていて
旦那さんが「俺も行ってみようかなぁ…」
という場合
大体は
『旦那さんの方が重症』な
傾向にあったりします。
一般的に男性が
「俺も行ってみようかなぁ…」
という場合は不調や不具合など
思い当たる節が
数多くある場合がほとんどです。
本人が本当にお元気で
自分の健康や体調に不安がない場合は
「ふーん」で終わりです。
大抵、そんなものです。
ほとんどの場合、
男性と女性では
自分の健康や体調に対する
『温度差』が違うのです。
筋肉や神経への刺激の入力
お客様が女性であれ男性であれ
不妊をテーマに施術を行うのであれば
術式はさほど変わりません。
頭部とお腹の整体を優先的に行います。
また、男性の場合は
筋肉や神経系へ
ある程度の刺激を入力してあげると
非常に活発になります。
姿勢不良や運動不足で
大腿や腹部周辺の
筋力低下がある場合は
精力減退につながると言われています。
また、
大腿四頭筋や大腰筋などの
比較的大きな筋肉のトレーニングは
テストステロンの分泌を活発化させる
という説もありますので
腹部・頭部間の調整に加えて
男性の場合は
筋力アップの調整を施し
気力体力の底上げを行うのが
大切だと思います。
多少の養生をする

繰り返しになりますが
一般的に男性は女性に比べて
自分の健康や体調への
関心が低い傾向にあります。
体調管理のための養生を
女性よりも強く
意識する必要があると思います。
徹底した健康マニアになる
必要はありませんが
女性よりも少しだけ
余分に気を使うくらいが
ちょうど良いのではないかと思います。
お読みいただきありがとうございました。
御蔭様です。