バレエの動きで鵞足炎になる理由
カテゴリー:運動器症状
お世話になります
稲城ひらお整体院【バレエ整体】
院長の津端です
前回に引き続き
バレリーナ障害の
膝シリーズを投稿いたします。
膝の内側に痛みがある方はもちろん
違和感やハリがある方は
お早めにお目通しください。
バレエに多い膝障害は?
腸脛靭帯炎、鵞足炎、半月板損傷
前十字や側副靭帯などの
膝関節の靭帯損傷や
関節包炎、滑液包炎など
バレエによって引き起こされる
膝周辺の障害は非常に多岐に渡ります。
膝の構造的な考察から、
各症状に通底する膝障害の
概論を書いていくのもいいと思いますが
バレエを踊る上での
膝のお悩みは非常に多いので
部位ごとに少しシリーズ化して
一つ一つの症状について
掘り下げて書いてみたいと思います。
というわけで膝シリーズ第2回は
鵞足炎について書いていきます。
鵞足炎ってなに?

鵞足炎とは鵞足部と呼ばれる
膝の内側の場所に起こる
炎症症状のことです。
鵞足は、ガソクと読みます。
鵞とは、ガチョウのことです。
鵞足は薄筋・半筋様筋・縫工筋という
3つの筋肉の筋が集合した部位を指します。
鎌の形状に見えるから
かま足というように
この部分の形が
ガチョウの足のように見えるため
鵞足と呼ばれています。
この膝の内側のところに
炎症を起こす症状が鵞足炎です。
鵞足炎では、痛みが出る場所が
限局されます。
膝の内側、お皿の高さよりも
ちょっと下で、全体的に見ると
斜め前方向に痛みが出てる場合
鵞足炎が疑われます。
この鵞足炎は
バレエ以外でも
足に負荷をかける
スポーツで
比較的好発します。
スポーツ障害以外でも
ある程度の年齢以上になると
普段の動きや体重、生活習慣の影響で
鵞足炎になる方も多くいらっしゃいます。
膝にターンアウト方向への
ストレスがかかりやすい
バレリーナにもよく起こる
バレエ障害でもあります。
鵞足炎が起こるメカニズム
鵞足炎が起こる発生機序は
膝関節周辺の
【回旋ストレス】と【反張ストレス】が
主な原因だと言われています。
ひねるタイプのストレスと
反らすタイプのストレス…
バレエの動作から考えると
クラシックバレエは鵞足炎との
相性が悪いのです。
そのため、鵞足炎を患っている
あるいは過去に経験している
バレリーナは少なくありません。
病院に行かず、
医師の診断がついてないだけで
膝の不具合の実態が
鵞足炎から来るケースも入れれば
相当数に及ぶでしょう。
ターンアウト動作が
上手に処理されていない場合
膝関節には上記の
【回旋ストレス】と【反張ストレス】が
ターンアウト位を保っている限り
ずっとかかり続けます。
そのため、整形外科では
『レッスンを休みなさい』または
『バレエを辞めなさい』と
指示されるのです。
しかし、
バレエ団一つ取っても
同じメニューでレッスンをしていて
鵞足炎になる人とならない人に分かれます。
体重や筋肉量、疲労の蓄積など
同一条件で考えることはできませんが
鵞足炎を発症させる人には
ある程度の『共通点』があります。
鵞足炎になりやすい人の共通点

鵞足炎になりやすい人の
共通点はたった一つです。
『ターンアウトの処理ができてない』
この一言に集約できると思います。
鵞足炎の検査や視診の際に
「足体の内倒れ」
という現象の有無が
重要になって来るのですが
なぜこの現象が発生するか?と考えると
バレエの障害でいうならば
やはり『ターンアウトの処理』という
問題に集約してしまいます。
この問題の流れをフローチャートにすると
1)適切なターンアウトの処理が出来ているか?
2)足体の内倒れやアーチの低下はないか?
3)鵞足部にストレスがかかる背景はないか?
という形になります。
適切なターンアウト処理が
できていない場合は
足体の内倒れや
アーチの低下などを
引き起こすことになり
鵞足部のストレスが集中する
背景的な原因になります。
ターンアウト処理が理想的な
バレリーナは鵞足炎にならない
という断定的な書き方はできませんが
鵞足炎を愁訴に
来院されたバレリーナで
ターンアウト処理が
綺麗にできている人は
過去に、ほとんどいませんでした。
(突発的な損傷や、オーバーワークによる鵞足炎などは除く)
ここではあえて
ターンアウト「処理」と
少し機械的な表現をしました。
ターンアウト処理って
一体なにを処理するの?
と言いますと
鵞足炎の原因になると言われる
回旋ストレスと反張ストレスを
処理するのです。
そのため、ターンアウトは
大きく広く行うことと並行して
ストレスの処理ができているかどうかも
同じくらい大事になります。
鵞足炎の整体は?

諸法によって炎症の緩和を図り
鵞足部にかかるストレスの
除去を並行して行います。
大腿骨と脛骨の
バランスだけでなく
足裏から股関節レベルまでの
挙動の整合性を
回復する整体を行います。
鵞足炎は膝の症状ではありますが
膝そのものに
大きな問題があるのではなく
脚全体という尺度で
回旋・反張のストレス処理が
できていないという部分に
根本的な原因があります。
この膝へのストレス処理が
上手くできますと
鵞足炎は比較的早期に改善し
動作的にも安定する傾向にあります。
ただし、
他のスポーツ障害にも言えることですが
普段の使い方がダメだと長引きます。
鵞足炎の潜在的リスク
さてこの鵞足炎ですが
バレリーナの場合は
とにかく見逃しやすいので
膝の内側の違和感や
軽い痛みが出た段階で
然るべき機関に相談してください。
鵞足炎は
軟部組織の炎症を伴う症状ですので
慢性化するとかなり長引きます。
慢性化する鵞足炎の場合は
症状がひどくなるまで
特に対策を講じなかった
ケースがほとんどです。
炎症が長引き、恒常化すれば
膝関節や骨レベルでの
変形や変質が起きてしまいます。
前回の腸脛靭帯炎も
同じ文章構成で書きましたが
器質的変質は機能的障害とは
問題の次元が違います。
機能のエラーではなく
パーツの損傷なのです。
人体に取り替え部品は
売っていません。
一度壊れたら、治して使っていくか
機能だけを模した偽物に
すげ替えるしかありません。
もちろんバレリーナの場合、
その選択肢が出るときは
もうバレエから
離れて久しいでしょうが
バレエを辞めた後でも、
人体は替えが効かない消耗品なのです。
「バレエ踊ってれば膝くらい痛む時があるでしょ」
というご意見も
そりゃごもっともです。
しかし、
バレエを踊るのだからこそ
人一倍、商売道具には
気を使ってほしいと思います。
鵞足炎だけでなく
膝の違和感はとにかくお早めに…
次回も【膝シリーズ】を
投稿する予定です。
お読みいただきありがとうございます。
御蔭様です。
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